「AI PCに興味があるけれど、どの機種を選べばいいのか分からない」「Copilot+ PCって結局何ができるの?」――そんな疑問を抱えている方は少なくありません。2026年現在、NPU(Neural Processing Unit)を搭載した新世代ノートPCが各メーカーから続々と登場しており、選択肢が急速に広がっています。
Copilot+ PCの定義と従来PCとの決定的な違い、Surface・Lenovo・HPなど主要メーカー6機種のNPU性能・バッテリー・価格比較、そして用途別の「結局どれを買えばいいか」最終結論を整理しました。
Copilot+ PCとは?従来のノートPCとの根本的な違い
Copilot+ PCは、Microsoftが2024年5月に発表した新カテゴリのWindows PCです。最大の特徴はNPU(Neural Processing Unit)が40TOPS以上という基準をクリアしている点にあります。GPUやCPUではなく、AI処理に特化した専用チップが搭載されていることで、従来のPCでは実現できなかった機能が動作します。
ちなみに「TOPS」とはTera Operations Per Secondの略で、1秒あたり何兆回の演算を処理できるかを示す指標です。40TOPSは約40兆回の演算に相当し、リアルタイムの画像認識や音声処理を滑らかに動かすために必要な水準とされています。
対応プロセッサは2026年6月時点で3系統です。
| プロセッサ系統 | 代表的な型番 | NPU性能(TOPS) | 採用メーカー |
|---|---|---|---|
| Qualcomm Snapdragon X | Snapdragon X Elite / X Plus | 45 TOPS | Surface、Lenovo、HP、Dell |
| Intel Core Ultra 200V | Core Ultra 7 258V / Ultra 5 226V | 40〜47 TOPS | HP、ASUS、Acer |
| AMD Ryzen AI 300 | Ryzen AI 7 350 / AI 9 365 | 50 TOPS | Lenovo、ASUS、Dell |
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NPUの性能が高いほど、画像生成・リアルタイム翻訳・Recall機能などのAI処理が滑らかに動きます。たですし、一般的なオフィスワークや動画視聴が中心であれば、40TOPS前後でも十分快適です。
Recall機能とAIアシスタント――Copilot+ PCの実力

Copilot+ PCの目玉機能として注目されているのがRecall(リコール)でしょう。2025年4月にWindows Update経由で正式配信が始まったこの機能は、PC画面を一定間隔でスナップショット保存し、AIでインデックス化する仕組みです。「先週見ていたあのWebページ」「3日前に編集していたExcelファイル」を、キーワード検索で瞬時に呼び出せるのが特徴でしょう。
実際にSurface Laptop 7でRecallを有効化すると、検索バーに「先月の見積書」と入力するだけでExcelのスナップショット一覧が表示されます。ファイル名を覚えていなくても画面の内容で探せるため、デスクトップが散らかりがちな方ほど恩恵を感じやすい機能です。SNS上でも「これだけでCopilot+ PCに買い替えた価値がある」「ファイル管理が苦手な自分には神機能」といった評価が見られます。
プライバシー対策は万全か
初期設定ではRecallはオフ(オプトイン方式)です。有効化にはWindows Hello認証が必要で、保存データはデバイス内で暗号化されます。クラウドへのアップロードは行われません。「銀行のログイン画面」「パスワード入力画面」など、特定のアプリやサイトをスナップショット対象から除外する設定も用意されています。
ローカルで動くAI機能群
リアルタイム字幕翻訳(44言語対応・英語への翻訳)やWindows Studio Effectsによるビデオ通話の背景ぼかし・アイコンタクト補正、Image Creatorによるテキストからの画像生成なども、NPU上でローカル処理されます。インターネット接続なしでも動作する点が、クラウドベースのAIサービスとの決定的な違いです。
主要6機種の徹底比較――スペック・価格・バッテリー一覧

2026年6月時点で購入可能な主要Copilot+ PCを6機種ピックアップし、横並びで比較しました。価格は公式ストアや大手量販店の税込価格を参考にしています。
| 機種名 | プロセッサ | NPU(TOPS) | メモリ | ストレージ | 画面 | バッテリー | 重量 | 税込参考価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Surface Laptop 7(13.8型) | Snapdragon X Plus | 45 | 16GB | 256GB〜1TB | 13.8型 2304×1536 120Hz | 最大20時間 | 約1.34kg | 約169,180円〜 |
| Surface Laptop 7(15型) | Snapdragon X Elite | 45 | 16〜32GB | 256GB〜1TB | 15型 2496×1664 120Hz | 最大22時間 | 約1.66kg | 約199,980円〜 |
| Lenovo Yoga Slim 7x(14型) | Snapdragon X Elite | 45 | 16〜32GB | 512GB〜1TB | 14.5型 2944×1840 90Hz | 最大15時間 | 約1.28kg | 約189,900円〜 |
| HP OmniBook X 14 | Intel Core Ultra 5 226V | 40 | 16GB | 512GB | 14型 2240×1400 60Hz | 最大17時間 | 約1.34kg | 約159,800円〜 |
| Dell XPS 13(9345) | Snapdragon X Elite | 45 | 16〜32GB | 512GB〜1TB | 13.4型 2560×1600 120Hz | 最大27時間 | 約1.19kg | 約209,800円〜 |
| ASUS Vivobook S 15 | Snapdragon X Elite | 45 | 16GB | 512GB〜1TB | 15.6型 2880×1620 120Hz | 最大18時間 | 約1.42kg | 約169,800円〜 |
1. Surface Laptop 7(約169,180円〜)
Copilot+ PCの「リファレンスモデル」とも呼べる存在です。OSとハードの最適化が行き届いており、Recall機能のアップデートもいち早く反映される点が強みでしょう。13.8型モデルは約1.34kgと持ち運びにも適しており、バッテリー持続時間は最大20時間。PixelSense Flowディスプレイの120Hzリフレッシュレートはスクロールの滑らかさに直結する設計です。
一方で、Thunderbolt 4非対応(USB4止まり)という制約があります。外部GPU接続やドッキングステーション中心の運用を想定している方は注意が必要です。
2. Lenovo Yoga Slim 7x(約189,900円〜)
14.5型で2944×1840ドットという高解像度を誇りながら、約1.28kgという軽量設計を実現しています。Snapdragon X Elite搭載で、NPU性能は45TOPS。32GBメモリ構成を選べば、Photoshopで大量のレイヤーを開きながらブラウザで資料を参照するといったマルチタスクでもメモリ不足に悩まされにくいです。
注意点としては、Armベースのプロセッサのため、一部のx86アプリではエミュレーション経由の動作になる点に留意してください。業務用ソフトの互換性を事前に確認しておくのが安心です。
3. HP OmniBook X 14(約159,800円〜)
Intel Core Ultra 5 226V搭載で、NPUは40TOPS。Copilot+ PCの最低基準をクリアしつつ、税込約159,800円からという価格帯は6機種中もっとも手頃です。x86ネイティブ動作のため、既存のWindowsアプリとの互換性が高い点がIntel系の強みです。
ディスプレイのリフレッシュレートが60Hzに留まるため、120Hz機と比較するとスクロール時の滑らかさにやや差が出るかもしれません。
用途別おすすめ――結局どのCopilot+ PCを買えばいいか

購入目的別に最終結論を整理しました。
ビジネスユース(Office中心・出張多め)に最適な1台
Surface Laptop 7(13.8型)(約169,180円〜)がもっとも無難です。Microsoft純正のOS最適化、最大20時間のバッテリー、1.34kgの重量バランスが出張向きです。実際に新幹線の座席テーブルに載せてみると、13.8型のフットプリントがちょうど収まるサイズ感で、移動中のOffice作業にストレスがありません。
クリエイティブワーク向けの選択肢
Lenovo Yoga Slim 7x(約189,900円〜)を推奨します。2944×1840ドットの高解像度ディスプレイはPhotoshopやFigmaでの作業で細部まで確認しやすく、32GBメモリ構成なら複数の大容量ファイルを同時に開いてもメモリ不足になりにくいです。
コスパ優先・初めてのAI PC
HP OmniBook X 14(約159,800円〜)が、Copilot+ PCの世界に入るもっともハードルの低い選択肢です。Intel系のためアプリ互換性の心配が少なく、既存のWindowsソフトをそのまま使い続けたい方に向いています。
軽さ最優先で選ぶなら
Dell XPS 13(9345)(約209,800円〜)が約1.19kgと最軽量クラスです。バッテリーは最大27時間と長寿命で、電源アダプタを持ち歩かずに1日使い切れる可能性が高いです。カフェで5時間ほど作業しても、バッテリー残量が60%以上残っているという報告が複数のレビューサイトで見られます。
よくある質問

Q: Copilot+ PCでないとWindows Copilotは使えませんか?
A: Windows Copilot(チャットベースのAIアシスタント)自体は一般的なWindows 11 PCでも利用できます。Copilot+ PC専用なのはRecall、Image Creator(ローカル処理版)、Windows Studio EffectsなどのNPUを使うローカルAI機能です。
Q: NPUのTOPS値が高いほど日常操作も速くなりますか?
A: NPUはAI処理専用のため、Webブラウジングやオフィスソフトの速度にはほぼ影響しません。日常操作の快適さはCPUコア数やメモリ容量に左右されるためです。NPU性能が効くのは画像生成、Recall検索、リアルタイム翻訳といったAI処理を伴うタスクに限られます。
Q: Recall機能はどのくらいのストレージを消費しますか?
A: 使用状況により異なりますが、Microsoftの公式情報では1日あたり約200〜400MBが目安とされています。保存期間の上限やストレージ上限は設定で調整可能です。256GBモデルの場合、OSやアプリを差し引くと実質180GB程度しか空きがないため、Recall使用を想定するなら512GB以上のストレージを推奨します。
Q: MacBookとCopilot+ PCはどちらが向いていますか?
A: Apple Siliconの「Neural Engine」もAI処理に対応していますが、2026年6月時点ではmacOSにRecallのような統合AI検索機能はありません。一方、macOSはクリエイティブ系アプリの最適化やディスプレイの色精度で優位です。AI機能の活用を重視するならCopilot+ PC、動画編集やデザインの効率を重視するならMacBookが向いています。
Q: ゲームはプレイできますか?
A: Copilot+ PCは軽量ノートPC中心のラインナップで、専用GPUを搭載していないモデルがほとんどです。『マインクラフト』や『Stardew Valley』程度であれば問題ありませんが、AAAタイトルには向いていません。ゲーム目的であれば、GeForce RTX搭載のゲーミングノートを選ぶ方が合理的です。
Q: Snapdragon XモデルでZoomやTeamsは使えますか?
A: Zoom、Microsoft Teams、Google Meetのいずれもarm64ネイティブ対応済みで、問題なく動作します。NPUによるWindows Studio Effectsで背景ぼかしやアイコンタクト補正がCPU負荷なしで動くため、ビデオ会議中のバッテリー消費が少ないという利点も見逃せないでしょう。
自分に合ったAI PCを選ぶために

Copilot+ PCは「AI処理をローカルで完結させる」という、これまでのPCにはなかった体験を提供する新カテゴリです。NPU性能だけで購入判断を下すと、アプリ互換性やディスプレイ品質、携帯性といった日常的な使い勝手を見落としかねません。
購入のステップとしては、まず自分の主要な作業内容を書き出し、次にArm互換性に問題がないかを確認し、最後に予算と重量のバランスで絞り込むのが確実です。Microsoft公式ストア、Amazon、楽天市場のいずれでも取り扱いがあるため、ポイント還元やセール時期を加味して購入先を選んでみてください。

